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201整形外科看護2017春季増刊第 章DDD全般13血栓がないのに全体的に腫脹が みられることがあるのはなぜ?127Evidence level①エビデンスに基づく回答手術を行った部位には当然出血があります。筋肉や関節包の切断部、骨髄などからの出血で、術後に出血がまったくない手術はありません。出血のすべてがドレーンから排液されるわけではなく、筋肉内、筋肉と筋肉の間、皮下組織などに出血がたまります。DVTとは無関係に手術部位や骨折部位は出血によって「腫脹」するのが当然と考えてください。したがって、「腫脹」の有無だけでDVTが生じているかどうかを判断するのは難しいということをわかってもらいたいと思います1)。ただし、腫脹は本人や家族にも簡単にわかる徴候なので、「腫れるのはあたりまえ」というような説明をしてはダメです。同種の手術後と同じ程度の腫脹かを考えるのも大事ですし、同じでも腫脹があれば記録と報告は必要です。参考・引用文献1)藤田悟ほか.股関節または膝関節全置換術における深部静脈血栓症および肺塞栓症の発生頻度:予見的多施設共同研究.整形外科.51,2000,745-9.車椅子の長時間乗車はなぜ危険?128Evidence level②明確なエビデンスはない回答Ⓓその他ベッドの上に背臥位で4時間寝ていることと、車椅子に4時間座っていることを比べてください。車椅子に乗った状態では膝関節と股関節はほぼ90°屈曲しています。この屈曲した部分で血流が停滞しやすいことは、容易に想像がつくと思います(図1)1)。また、血栓が生じやすい下腿が心臓よりずっと下のほうにあるので、静脈圧が高くなり上方への血液の流れが悪くなります。これも血栓が生じやすい原因となります。訪室したときにベッドに患者さんが寝ていなければ「離床」していると安心するのは危険です。「車椅子離床」の状態であれば、2時間ごとに立ち上がって足踏みをしても

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