M131750
6/14
10整形外科看護2017春季増刊病態・治療Chapter 1 脊椎全般社会医療法人みゆき会みゆき会病院 病院長 武井 寛硬膜外ブロックを施行した当日は入浴は禁忌?001Evidence level①エビデンスに基づく回答サマリーブロック実施時の清潔操作がしっかりしていれば入浴は可能です。感染対策がしっかりなされていれば入浴は可能場所は異なりますが、関節注射で関節内に感染が生じる確率は0.002〜0.037%などと報告されています1)。感染の主たる原因は注射実施時の清潔操作にあるようです。患者さんの皮膚常在菌のみならず、実施医師の口腔・鼻腔や、介助者の手掌に存在する細菌が起因菌として認められています1)。また、膝関節内への注射後でも、入浴による水圧で細菌が関節内に押し込まれることはないといわれています2、3)。硬膜外ブロックに使用される針は関節注射に使用される針よりは太いものですが(図1)、皮膚表面から硬膜外腔までの距離は長いので(図2)、ブロック後であっても通常は入浴可能と考えます。しかし、棘突起が浮き出るようにやせている患者さんで、硬膜穿刺によって髄液漏を生じてしまったような際には、念のため24時間程度は入浴を控えたほうが無難でしょう。ab図1関節注射と硬膜外ブロックに使用する針a:23G 針、針の直径は0.6414mm。b:17G 硬膜外針、外套の直径は1.473mm。
元のページ
../index.html#6