M131751
13/14

整形外科看護2017秋季増刊  163肩・手関節の手術1肩腱板修復術8上腕骨頭じょうわんこっとう 肩甲下筋けんこうかきん棘上筋きょくじょうきん棘下筋きょくかきん図1 腱板のフットプリント上腕二頭筋長頭腱(long head of biceps tendon:LHB)の処置2)  上腕二頭筋長頭腱を手術中に確認し、断裂しかかっていたり、脱臼していたり、滑走が悪い場合などは術後疼とう痛つうの原因になるため、腱固定や腱切離を行っています。腱板修復  修復方法としてはsシングルingle-rロウow法、dダブルouble-rロウow法、sスーチャーuture bブリッジridge法(図3)があります。single-row法はアンカーをfoot printに1列に打ち、単純縫合します。double-row法はアンカーをfoot printの内側と外側の2列に打ち、内側をマットレス縫合、外側を単純縫合し、修復腱板を面で圧着することでsingle-rowよりも初期固定力が上がり、術後再断裂が少なくなります。suture bridge法はアンカーをfoot printの内側に打ち、縫合糸を腱板上でクロスし押さえ付けるようにして外側にブリッジ用アンカーで固定します。より修復腱板を面で圧着することができ、腱板上の結び目(ノット)の数が減ることで、術後ノットインピンジメントも減るといわれています。修復困難な場合  修復が困難な広範囲腱板断裂に対しては、大腿筋膜などの補助材料を用いて修復を行う方法があります。大腿筋膜を腱板に縫い付ける場合を鏡視下パッチ法3)といい、肩けん甲こう骨こつ関かん節せつ窩かに固定する方法を鏡視下上方関節包再建術(arthroscopic superior capsular reconstruction:ASCR、三み幡はた法ほう)(図4)といいます。また原則70歳以上の偽ぎ性せい麻ま痺ひをともなう高齢者にはリバース型人工肩関節置換術(revers shoulder arthroplasty:RSA)を行っています。図2 鏡視下手術の皮切部位(左肩)前方ポータル烏う口こう突とっ起き鎖骨遠位部ネバイザーポータル肩峰後方ポータル後外側ポータルアンカー挿入用ポータル前外側ポータル

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る