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61整形外科看護2018春季増刊1鎖骨骨折第 章3上肢の骨折症 状骨折部の痛み、腫脹、熱感がみられます。転位が大きくなると、外観で変形が明らかとなることがあります。転位の形態は、角かく状じょう変へん形けいと短縮が生じます(図2)。角状変形とは、胸きょう鎖さ乳にゅう突とつ筋きんによって近きん位い骨こっ片ぺんが頭側へ転位し、上肢の重量によって遠えん位い骨こっ片ぺんが尾側へ転位することによる頭側凸の特徴的な形態のことです。短縮は、遠位骨片に付着する僧そう帽ぼう筋きんと、上じょう腕わん骨こつに付着する大だい胸きょう筋きんによって生じます1)。そして、痛みのために肩関節の可動域制限が生じます。診 断病歴と診察所見から、ほとんどの場合において容易に診断が可能です。保存治療と手術治療の判断のためには、単純X線撮影が有用です。粉砕や転位の大きさなど、骨折部の詳細な情報を得るためにはCTが有用です。さらに、MRIにおいて、肩けん鎖さ関かん節せつ損そん傷しょうや腱けん板ばん損そん傷しょうなどの合併損傷が明らかとなる場合があります。ナースに知っておいてほしいポイント鎖骨バンドで固定されているときに、締め方が強いと腋えき窩か神しん経けい麻ま痺ひを生じることがあるので、肩の外側(三さん角かく筋きん)の知覚障害の有無を確認してください。三角巾やスリングで固定した状態であれば、安静度は制限がありません。まれに血腫などによって、鎖さ骨こつ下か動どう脈みゃくの圧排、血流低下を生じることがあるので、両側の橈とう骨こつ動どう脈みゃくの触知を確認してください。胸鎖乳突筋僧帽筋大胸筋上肢重量図2◆鎖骨骨幹部骨折の転位方向
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