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整形外科看護 2018秋季増刊13整形外科のきほんSection 1MRIは磁気共鳴断層画像診断装置ともいう。人の体内にはランダムな方向に向いているプロトンという微小な磁石と同等のものがあるため、MR現象(磁力共鳴現象)によって、体内の断面を写し出す1)。放射線を使わない検査であるため、放射線障害の心配がない。検査を受ける人は仰臥位のままで検査を受けるが、画像は水平面が写し出されるだけでなく、さまざまな角度で人体の断面を写し出すことができ2)、近年ではコンピューター上で再構成して3D画像にすることができる。MRIでは、多くの軟骨、靭帯、半月板、骨軟部腫瘍、脊椎、脊髄、関節などの鑑別を行うのに適している2)。放射線被曝はまったくないため放射線障害が起こることはないが、施術時間がCTに比べて長く、心臓ペースメーカーや金属製脳動脈クリップを使っている人、妊婦、あるいは妊娠をしている可能性がある人などは、検査を受けることができない場合がある。CTと比較して人がとおるトンネルが小さいため、閉所恐怖症の人は恐怖感を感じることがある。しかし、近年オープンMRIといって、トンネル式でなく、3方向を取り囲むだけのMRIを採用する病院も少しずつ増えてきており、閉所恐怖症の人に生じる恐怖感は軽減されるようになってきている。(中條雅美)MエムRアールIアイ検けん査さ#002magnetic resonance imaging➡MRICT検査 P14超電導MRIオープンMRI引用・参考文献1)百島祐貴.“MRIの原理”.“MRIの特徴”.ゼッタイわかるMRIの読み方.東京,医学教育出版社,1999,4-16,17-26.2)和田宏幸.ポータブル撮影時における被ばくについて:2m離れてください.昭和病院雑誌.2(1),2005,57-60.画像提供:株式会社 日立製作所画像提供:株式会社 日立製作所

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