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037整形外科看護2019秋季増刊2章/脊椎症状 腰部脊柱管狭窄症の症状は、脊柱管内の神経(馬尾や神経根)が圧迫されて神経の血行が障害されることで生じます(図3)。代表的な症状は間かん欠けつ性せい跛は行こう(長い距離を歩くと下肢のしびれが強くなり、かがんで休むと改善する)です。 そのほか、腰痛や腰の重だるさ、張りなどが現れることもあります。進行すると、骨こつ棘きょく(とげ)などによって神経根が圧迫され、安静時にも強い下肢痛(坐骨神経痛)が出現します。神経の圧迫が非常に強い場合には、膀胱直腸障害(頻尿、残尿感、夜間尿、尿閉、便秘、肛門の感覚がない、肛門を締められない)が出現することがあるので注意が必要です。診断 前述した症状と、腱反射の低下や下肢筋力低下および感覚障害の部位から、障害高位(どの椎間が原因か)と障害神経(馬尾か神経根か)を同定することが必要です。その後の治療によってどの程度改善したか、あるいは増悪したかを評価するうえでも、とても重要です。■ X線 X線の機能撮影(前屈、中間位、後屈)による椎骨のすべりの有無を評価します。■ CT 骨棘、椎間関節の形、椎間板の変性の程度を評価します。■ MRI 脊髄、馬尾、神経根の圧迫部位や程度を評価します。馬尾型神経根型混合型ば び しんけい・症状は両脚のしびれや脱力感など馬尾神経・症状は片側の脚の痛みやしびれ・両方のタイプの症状が現れる脊柱管内を通る神経の束の馬尾が圧迫される馬尾から分かれた神経の根元が圧迫される馬尾と神経根が同時に圧迫される椎間板馬尾棘突起神経根椎間関節ついかんばんば びきょく とっ きしん けい こんついかんかんせつ図3 腰部脊柱管狭窄症の症状

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