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100整形外科看護2019秋季増刊解剖生理 肩関節は上じょう腕わん骨こつ、肩けん甲こう骨こつ、鎖さ骨こつの3つの骨と、ボール状の上じょう腕わん骨こっ頭とう、浅い受け皿状の肩けん甲こう骨こつ関かん節せつ窩かから構成されています。 肩の腱板は前方の肩甲下筋、上方の棘上筋、棘下筋、後方の小円筋の4つから構成され、浅く不安定な関節を安定化させる役割をもっています(図1)。また、腱板は腕を上げたり(棘上筋・棘下筋)、ひねったりする運動(肩甲下筋・小円筋)のときに重要なはたらきをします。 病態(図2) 原因として、腱板自体の老化や、腱板が骨の間でこすれたりぶつかったり(インピンジメント)することが挙げられます。肩腱板断裂は、それらによって生じる中年以降の疾患といえます。 断裂は日常生活動作のなかで起こることが多く、肩の使いすぎが原因となっていることが推測されます。転んだりぶつけたりといった明らかな外傷によるものは少なく、40歳以上の男性(男性62%、女性38%)の右肩に好発します。発症年齢のピークは60歳代です。肩腱板断裂 北海道大学医学部整形外科 門間太輔1三角筋肩甲骨関節窩上腕骨棘上筋腱肩峰腱板断裂けん ばんだんれつけん こう こつかんせつ かけん ぽうきょくじょうきんけんさん かく きんじょうわんこつ上腕骨じょうわんこつ図2 肩腱板断裂の病態棘上筋肩甲下筋棘下筋小円筋しょう えん きんきょく じょう きんけん こう か きんきょく か きん図1 肩腱板の構造

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