003整形外科看護2019秋季増刊はじめに 整形外科は運動器(骨・関節・靭帯・神経など体を支持する組織、運動をつかさどる組織)の疾患を扱います。専門分野は大まかに「上肢」「下肢」「脊椎」に分かれます。各分野にはそれぞれ専門ドクターがいて専門的な治療を行うため、整形外科の病棟にはさまざまな運動器疾患の患者さんが入院してきます(例えば、腹部臓器では消化器外科・血管外科・泌尿器科・婦人科など多くの診療科の専門ドクターが治療を行いますが、これらの患者さんが1つの病棟に入院してくる感じです。すべての診療科の専門知識をもつスーパーナースになるのは、気の遠くなる話です)。 「整形外科に配属されたけど、なにから勉強していいかわからない」と途方に暮れないために、本書が企画されました。2019春季増刊では「下肢」が発刊されましたが、今回の2019秋季増刊では「上肢・脊椎」を取り上げます。この1冊でおもな上肢・脊椎疾患の診断・治療を網羅し、イラスト中心で初心者にもわかりやすくまとめられています。上肢・脊椎はこれ1冊で十分という内容です。 執筆は、臨床現場の最前線で中心的な役割を果たしている先生方にお願いしました。各分野の専門家であることはもちろんですが、病棟で診療に直接携わり、チームをまとめていく立場の方々です。学問的なむずかしいことよりも、臨床の現場で役立つ内容に焦点を当てて述べていただきました。本書を読んで整形外科のスーパーナースになるためのスタートラインに立ちましょう。函館中央病院 副院長/脊椎センター長金山雅弘
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