149整形外科看護2020春季増刊第4章⃝膝関節の手術術後の肢位によって腓骨神経麻痺が生じる 腓骨神経は腓骨頭のすぐ後方を走行しており、下肢を外旋して寝ていると、ベッドあるいは足台との間で圧迫が生じて麻痺が起こる場合があります。腓骨神経麻痺が生じると、足背のしびれが出現したり、足関節および足趾の背屈がしにくくなります。術後の訪室の際には注意して観察しましょう。 いったん麻痺が起こると、回復にかなり時間がかかり、術後の歩行障害の原因となるため、リハビリがスムーズに行えなくなります。硬膜外ブロックや膝関節周囲にカクテル注射をしている場合にも、足のしびれや動かしにくさが起こることがあるので、鑑別がむずかしい場合には医師に診察を依頼しましょう。 足背動脈が触れない場合はすぐに ドクターコール! 足背動脈の触知は血行障害がないかどうかの指標になります。術後に関節周囲の出血が多く腫脹が強い場合、あるいは術前から下肢動脈閉塞症などでもともと下肢の血管に狭窄がみられる人ではとくに注意が必要です。 術後は腫脹などで足背動脈の走行がわかりにくくなることが多いので、術前から足背動腓骨神経麻痺:術後の肢位によって腓骨神経麻痺が起こることがあります。足関節や足趾の背屈ができなくなるので、術後の肢位には十分に気を付けましょう。足背動脈の確認:出血などで関節周囲の腫れが強くなると、足背動脈が触れにくくなることがあります。足背動脈が触れない場合には血行障害の可能性があります。感染:術後の感染の場合は創の周囲に発赤が出現したり、浸出液が持続します。また、発熱が続くことがあります。血液検査なども参考にしながら、医師と密に連絡をとりましょう。深部静脈血栓症:深部静脈血栓症は術後1~2週間程度で発生します。下腿のむくみ、把握痛(押さえたときの痛み)がある場合には深部静脈血栓症の可能性があるので、医師に診察を依頼しましょう。術後リハビリ:TKAでは早期から可動域訓練、歩行練習を始める必要があります。リハビリスタッフとも協力し、スムーズに日常生活動作ができるようなケアが必要になります。だから術後はここに注意!
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