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198整形外科看護2020春季増刊患肢の安静:患肢を下垂すると腫れるので、枕やクッションを使って挙上し、クーリングを行い、足趾を積極的に動かすように指導します。腫れの改善は創傷治癒にも重要です。循環障害:足趾が蒼白になったり、患肢を安静にしているのに疼痛の増強や感覚鈍麻を訴える場合は、循環障害を疑います。神経麻痺:外固定や肢位によって腓骨頭が圧迫され、腓骨神経麻痺を生じると足背の感覚鈍麻や足趾の伸展力の低下を認めます。深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症:下肢のギプス包帯固定、全身麻酔、骨折などは深部静脈血栓症の危険因子です。患肢を安静にしているのに腫れや疼痛が増強したり、足趾が暗赤色に変化するときに疑います。血液検査を行い、シーネを外して診察する必要があります。だから術後はここに注意!患肢の安静創傷治癒と腫れの改善のために安静にする 足関節の外傷を治療するうえで、創部の壊え死しや感染の防止が重要になります。要因としては、軟部組織損傷の程度が強く、足関節周囲には筋肉や皮下脂肪が乏しく、皮膚の常在菌も多く術後に不潔になりやすいなどが挙げられます2)。創傷治癒のためには安静にし、腫れを改善させる必要があります。 骨折部は金属のプレートとスクリューで固定しているので、靭帯損傷がなければ基本的には早期からの可動域訓練や歩行が可能ですが、創傷治癒のために、しばらく外固定を継続することがあります。患肢を下垂すると腫れるので、食事中も術後早期は下垂しないように指導し、床上で枕やクッションを用いて挙上し、アイシングを行います。深部静脈血栓症の予防や神経障害の早期発見のために、足趾の運動を促します3)。神経麻痺腓骨頭を圧迫しないように調整する 腓骨頭の後方には総腓骨神経が走行しています。下肢が外旋すると、腓骨頭とベッドの間で総腓骨神経が圧迫されて麻痺を起こします。外固定で圧迫されることもあるので、帰室時には外固定が腓骨頭を圧迫していないか確認します。 また、下肢が外旋しても腓骨頭が圧迫されないように、クッションやバスタオルなどを用いて調整します(図1)。

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