199整形外科看護2020春季増刊第6章⃝足の手術循環障害、深部静脈血栓症足趾の色調やしびれ、動きに注意して対応する 「術後だから疼痛やしびれを訴えて当たり前」と考えて、痛み止めを使用して経過をみる前に、足趾の色調や腫れ、感覚障害、動きをよく観察しましょう。足趾が蒼白になったり暗赤色になったり、しびれが増悪したり足趾の動きが悪くなっているときは循環障害や深部静脈血栓症を合併している可能性があります。包帯をゆるめたり、ギプスを除去する必要があります。 また、外固定にゆるみが生じると皮膚がこすれて皮膚障害や創部のトラブルの原因になるので、巻き直しが必要になります4)。これらの場合には医師や周りのスタッフに確認しましょう。足趾の清拭を行い、清潔に保つようにします。 大腿部に駆血帯を巻き、駆血して手術を行うため、術後は大腿部のしびれも訴えます。手術が長時間になるほどしびれを強く訴えますが、時間とともに改善するので、経過をみます。腓骨神経麻痺:果部骨折だけの合併症ではない。腓骨頭とベッドの間に隙間をつくるようにして発生を予防する。用語解説1)仁木久照.“足関節部骨折”.骨折・脱臼.第4版.冨士川恭輔ほか編.南山堂,2018,1160-200.2)原口直樹.足部・足関節の外傷:後遺障害を残さないための初期治療.MBOrthopaedics.29(8),2016,59-68.3)秋山唯ほか.足関節骨折.整形外科科看護.22(5),2017,443-7.4)秋山唯ほか.足部・足関節の外固定.MBOrthopaedics.32(9),2019,37-42.(軽辺朋子・仁木久照)図1 術後の下肢の位置調整スペースをつくり、腓骨頭が圧迫されないようにする 腓骨頭 総腓骨神経足趾の伸展力(そる力)が低下するクッションスペース
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