はじめに大分大学医学部整形外科学教室 教授津つ村むら 弘ひろし 超高齢社会を迎えた日本では、健康寿命に大きな影響を与える整形外科疾患に罹患する患者さんは急増しています。地方の中規模以上の病院だけでなく、都会の大規模病院でも、医療需要の観点からも、病院経営の観点からも、整形外科はもっとも重要な診療科目の一つです。そのため、医療スタッフは、整形外科の知識と技能において習熟しておく必要があります。しかし、脊椎、上肢、下肢と部位によっても、また疾患によっても治療体系が変わるなど、複雑で理解するのがむずかしいという問題があります。さらに、医療の進歩は日進月歩であり、新しい治療法も次々に登場しています。 この増刊号では、現在よく行われている整形外科について、それぞれのエキスパートの医師に、手術の目的や術式の実際、周術期に注意すべき点など、詳しく書いていただきました。写真やイラストをたくさん使いわかりやすく仕上がっています。また、大部分のイラストは、本書のために新たに描いてもらったものです。「整形外科の手術と周術期ケア」に関する本としては、たいへん新鮮で旬な1冊になりました。 ぜひ、本増刊号を、ご自身のスキルアップ、病棟での勉強会、担当患者さんの術前の知識の整理など、幅広く役立てていただきたいと思います。
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