130132051
10/12

下肢ならではの看護技術 5第章 運動器疾患をもつ患者さんの場合、術後は患部の安静のために体動が制限され、排泄を他人に依存しなければならないことがあります。患者さんにとって排泄の援助を受けることは、羞恥心をともない心理的な苦痛をもたらします。そのため術後においては、回復に合わせて援助を要する動作とできる動作を区別しながら、すこしでも患者さんの自立を目指して援助していくことが大切です。目的 ①排便、排尿が安全に気持ちよく安心して行えるよう援助する ②排泄の習慣や方法について指導する適応 移動機能の低下や体動制限があり、トイレまで移動できない患者さんに行います。下肢術後・THA後の排泄介助THA後の排泄介助の手順 ※右脚が患側排泄介助のポイント股関節の過屈曲と脱臼肢位の防止がポイント! 車椅子からの移乗●手すりを把持し、体幹と下肢を伸展する●健側に体重をかけながら、ゆっくりと立位をとる●下肢と身体を一緒に向きを変えるようにして、股関節をねじらないように正面を向く(足を踏み換える)1●このとき、立ちやすいからといって前屈みになると過屈曲となり脱臼の危険があるため、介助者はしっかりと腰を持ち、患者さんの負担を軽くすることが重要腰を支える 20202020 208

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る