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眼科ケア 2017年 秋季増刊眼科ケア 2017年 秋季増刊202外直筋後転術の手術の流れ手順❶制御糸を留置し、結膜を切開する 本稿では、外斜視の際に行う外直筋後転術について述べます。6時と12時の角膜輪部に6-0ネスコスーチャーⓇナイロンで制御糸をかけ、糸の先端にペアンを固定し、目的とする筋の対側(内転)へ牽引します。次に、結膜切開部をサージカルスキンマーカーでマーキングします。本稿では、角膜輪部切開法を紹介します。角膜輪部切開法は、角膜輪部をコの字型に切開し、直筋にアプローチする方法です。術野を広く取ることができ、筋付着部の全幅を視認できます。結膜下に透けて見える外直筋の位置や、外直筋に向かう血管の走行を確認し、切開部をマーキングします。結膜を鑷子で軽く持ち上げて放射状に切開し、印を切り分けながら角膜輪部に沿って切開を延ばします。次いで、対側の放射状切開を延ばします。介助者にしてほしいこと 介助者は生理食塩液に浸したM.Q.A.を角膜に乗せ、角膜が乾かないようにします。局所麻酔の際は、患者さんが手術用顕微鏡のライトをまぶしく感じないように、角膜用ライトシールドを乗せることもあります。介助者が結膜をM.Q.A.や綿棒でよく拭いてから切開位置をマーキングすると、インクがにじみにくくなります。マーキング後も、上からインクを押さえるように余分なインクを拭き取ります。ポイントとなる手技や機器・器具 結膜を切開する際は、テノン囊も一塊に切除できるように、スプリングハンドル式剪刀の刃先を、一度、結膜下で広げてから、結膜を切開するとよいでしょう。血管をよけるようにして切開すると、出血を防げます。コの字型切開部のマーキング予定切開部鑷子で把持放射状結膜切開部スプリングハンドル式剪刀M.Q.A.6-0ネスコスーチャーⓇナイロン

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