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編集にあたって木村英也永田眼科院長眼科ケア 2017年 秋季増刊2 患者さんにとって、より良い手術を提供するためには、術者自身のスキルアップはもちろんのこと、それを支える周りのスタッフの力が必要です。とくに的確な手術介助により、術者はストレスなく、より安全に手術を行えるようになります。では、優秀な手術介助者になるためには何が必要でしょうか? それは、まず手術がどのような目的で行われているかを理解することです。そして、手術の流れの中で、どのような手術機器・器具を、どのようなタイミングで使用するかを把握する必要があります。 本書では、眼科の代表的な手術に関して、経験豊富な先生方に実践的な解説をしていただきました。まず、どのような手術であるかをわかりやすく示し、具体的に手術に必要な機器・器具を写真で呈示しています。そして、手術の流れを写真やイラストを見ながら、術者が手術をやりやすくするためには、どのような点に注意したらよいかを解説しています。これらは、まさに手早く、安全に手術をするための肝の部分です。通常の手術書にはなかなか記載されていない点で、これから手術を習得する先生にとっても非常に参考となるものです。我々も手術を指導する際に、術者として任せられるかどうかの判断として、手術介助が的確にできることが必要条件となっています。さらに、手術だけでなく、術前後のケアは患者さんが安心して手術を受けるために必要な仕事です。本書には、患者さんに説明する機会の多い白内障手術、網膜硝子体手術、緑内障手術に関する『眼科ケア』オリジナルの患者説明シートも付いています。ご自分の施設で患者説明シートを作る際に、参考にしていただけたら幸いです。 手術介助は、傍観者のように、ただ術者の横にいるだけではだめです。つねに術者の目線で、術者と一緒になって手術を進めていく必要があります。手術を理解することによって、介助がスキルアップしていきます。新人スタッフやこれから手術を始めようとするクリニックには、きっと役に立つ内容となっていますので、ぜひともご活用ください。

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