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編集にあたって藤本雅彦 フジモト眼科理事長/院長  「白内障」は日本全国どの病院、どのクリニックで勤務していても必ず遭遇する病気です。また、昨今では日帰りでの白内障手術を手掛ける病院も増えており、日本では毎年140万件以上の白内障手術が行われています。 本書は「白内障」にスポットを当て、その概念から、手術前の検査、手術適応、手術方法、手術後のケア、合併症などを一冊にまとめました。 白内障手術は日帰りで行われることも多くなってきたため、患者さんから「白内障の手術は眼科の手術の中でも簡単な手術なのでしょう?」「手術すれば必ず見えるようになるのでしょう?」と質問を受けることも多々あります。もちろん医療の進歩とともに、手術はより安心・安全なものになってきています。しかし、手術前後のケアを一歩間違えると失明につながる重篤な感染症が起こることもあります。 最近では、レーザーを使用した白内障手術や、遠方または近方のみに焦点が合う「単焦点眼内レンズ」だけでなく、遠近ともに焦点が合う「多焦点眼内レンズ」も普及してきました。また、双方のレンズには、おのおの乱視を矯正できるレンズもあります。今後はこれまで以上に患者さんの価値観、考え方、ライフスタイルに合わせた眼内レンズの選択、手術方法が求められます。まさに白内障手術は「セミオーダー治療」の域に達してきたのではないでしょうか? 患者さん一人一人の目の状態に合わせた「フルオーダー治療」の時代もそう遠くはないかもしれません。 この『めめ子と学ぶ まるごと白内障入門』をみなさんにご一読いただき、白内障について、さらに理解を深め、患者さんの白内障治療に貢献していただければ幸いです。そして、患者さんに白内障治療により「視ること」「見えること」の素晴らしさを実感していただき、より豊かな生活を過ごしていただければ、編者としてこれ以上の喜びはありません。

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