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220  眼科ケア 2019年 春季増刊●対象と目的 初期の霰粒腫に対しては霰粒腫の本態である慢性肉芽腫性炎症を消炎する意味からステロイドの局所注射が試みられています。●使用する器具 1mLシリンジ、30Gまたは27Gの注射針を使用します。さらに角膜を保護するために角板を使用します。●よく使用される薬剤点眼麻酔薬◦ベノキシールⓇ点眼液0.4%(オキシブプロカイン塩酸塩)◦キシロカインⓇ点眼液4%(リドカイン塩酸塩)ステロイド注射薬◦ケナコルト-AⓇ筋注用関節腔内用水懸注40mg/1mL(トリアムシノロンアセトニド)●処置の手順 処置台に患者さんを横臥させて点眼麻酔をした後に、角膜を角板にて保護しながら霰粒腫周囲の皮下、または結膜下にケナコルト-AⓇ筋注用関節腔内用水懸注40mg/1mL(トリアムシノロンアセトニド)0.05〜0.2mLを結膜下注射、または皮下注射します。 霰粒腫に対するステロイド眼軟膏の塗布による治療には数カ月の時間を要することがよくあり、患者さんが小児の場合は、保護者に治療期間の長さを十分に説明しておく必要があります。この点を明確に説明しておかないと、治療経過中に腫瘤の早期消退がないことや、腫瘤が自壊して、治療しているにもかかわらず疾患が悪化したと家族に判断され、無用な誤解を招いたり、適切な治療の中断、中止につながったりする危険性があります。霰粒腫がステロイド眼軟膏で治るのには数カ月かかることがあります。焦らずに治療を続けましょう。霰粒腫の処置:ステロイドの局所注射処置

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