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眼科ケア 2019年 春季増刊  223②霰粒腫・麦粒腫の処置5章●対象と目的 霰粒腫の炎症が長期にわたる、または再発を繰り返したために線維化し、局所に肉芽腫を形成し、触診で眼瞼皮下に硬い腫瘤を触れる場合は、薬物加療のみでは霰粒腫を寛解させられないため、外科的に肉芽腫を摘出することが必要になります。霰粒腫が生じて比較的早期でも、患者さんが病期の短縮を希望される場合は、慢性肉芽腫性炎症の原因となっている変性した脂質を摘出するために切開処置を選択します。●使用する器具(図4) 皮膚、眼球の消毒にポビドンヨード含浸綿球、希釈PA・ヨード点眼・洗眼液(ポリビニルアルコールヨウ素)を用います。 麻酔のために2.5mLシリンジ、27Gまたは30G針を使用します。メスは11番メスまたは眼科用30°メスを使用します。 その他には眼科用穴開きドレープ、角板、狭瞼器、スプリングハンドル式剪刀、有鈎鑷子、鋭匙、ガーゼ、必要に応じて、持針器、縫合糸、パクレン(焼灼器)やバイポーラ凝固止血器を使用します。●よく使用される薬剤麻酔薬◦ベノキシールⓇ点眼薬0.4%(オキシブプロカイン塩酸塩)◦キシロカインⓇ点眼薬4%(リドカイン塩酸塩)◦キシロカインⓇ注射液2%(リドカイン塩酸塩)◦キシロカインⓇ注射液「2%」エピレナミン(1:80,000)含有(リドカイン塩酸塩)止血薬◦希釈ボスミンⓇ(1:1,000〜5,000)霰粒腫の処置:切開処置(肉芽腫の摘出)ステロイドを注射した後、皮下や結膜下に出血があり、赤くなることがありますが、心配ありませんので様子を見ましょう。また、注射後に1〜2週間経っても霰粒腫が小さくならなければ、もう一度、注射することがあります。

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