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眼鏡合わせのポイント過矯正の眼鏡を装用している患者さんに、安易に低矯正で処方しない ケース①のような中高年の患者さんは、完全矯正の眼鏡を処方するだけでは満足してもらえません。また、過矯正の眼鏡を装用している患者さんに、安易に低矯正で処方すると、遠方が見えにくくなったという不満が多く聞かれます。眼精疲労を訴えている患者さんでは、調節を除去した自覚的屈折検査値を求める ケース①の患者さんでは、VDT作業時間が長く、眼精疲労を訴えているため、VDT症候群の可能性を念頭に置いて、検査を進めます1)。涙液層破壊時間(BUT)は長く、眼位にも異常を認めなかったため、調節力、もしくは眼鏡の問題であると考えられます。眼精疲労を訴えている患者さんでは、調節を除去した自覚的屈折検査値を求めることが重要です。他覚的屈折検査値より「S+2.00D〜S+3.00D」を加入し、雲霧法2)を用いて測定することが望ましいのですが、忙しい現代人に30〜40分の時間を拘束することは難しいため、中等度の近視の場合は受診の30〜40分前から眼鏡を外してもらうことで、時間の短縮ができます。ただしこの間、スマートフォンやタブレットパソコンなどを使用しないように注意が必要です。また、事前に眼鏡を外してもらうことが難しい場合には、両眼開放下の自覚的屈折検査のなかで用いられる雲眼位5m×2⊿Bin33cm×6⊿Bin近見視力(30cm)R)0.7×S−5.00D()C−0.75D Ax165°  1.5×S−3.50D()C−0.75D Ax165°+1.50D加入L)0.7×S−4.75D()C−0.50D Ax20°  1.5×S−3.25D()C−0.50D Ax20°+1.50D加入瞳孔間距離(pupillarydistance;PD)32mm/31mm所持眼鏡(JB)R)1.5×S−5.75D R=GL)1.5×S−5.50D R=G事例で理解!眼鏡合わせの実際6章眼科ケア 2019年 秋季増刊  167

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