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142  眼科ケア 2020年 秋季増刊(branch retinal vein occlusion;BRVO)では中心窩を境に上半側または下半側で黄斑浮腫が起こり、中心窩の上下で非対称がみられます。そのため、BRVOの病態検出には垂直断の方が有用です(図2)。病態を知ることが、疾患別撮影ポイントの理解につながります。⿎目的の把握 次に、検査目的が「スクリーニング、診断、治療効果判定、経過観察」のどれに該当するかを考え、目的に合わせて撮影します。治療効果判定としての撮影では「前回と同じ部位を同じ条件(スキャンの種類、長さ、角度)で撮影すること」が求められます。事前の情報収集や目的を考えることが、スムーズな検査と診療に必要な画像の取得につながります。手順❷撮影環境の設定と検査説明 患者さんの身長や顔の大きさを目視し、いす、光学台、顎台の順に高さの調整を行い、顎をのせ、額を額当てに当ててもらいます。やや前傾姿勢になるようにすると、額が額当てに当たりやすく安定します。検査説明では、OCT検査の目的や撮影時間を伝えることで、協力が得られやすくなります。頭位の保持が難しい患者さんでは、ヘッドバンドで頭を固定します。②水平断で撮影したOCT画像③垂直断で撮影したOCT画像 図2  網膜静脈分枝閉塞症のOCT撮影ポイント②では黄斑浮腫が確認できないが、③では確認できる。①カラー眼底写真起するfoveal bulgeや網膜表層の高反射がみられます。⿎中心窩の位置を予測する 中心窩の解剖学的位置は、視神経乳頭中心から耳側15°、下方3°で、中心窩は乳頭中心と乳頭下縁の間に位置することが予測できます。ただし、個体差、眼球回旋や乳頭傾斜がある場合は、眼底像から中心窩を予測します。

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