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どんな病気かどんな病気か●症状 人間の目でカメラのレンズに相当する部分が水晶体です。正常な水晶体は透明で光をよく通しますが、さまざまな原因でこの水晶体の中身である蛋白質が変性し、濁ってくるのが白内障です。 水晶体が濁ることにより、視力が低下します。水晶体の濁り方は一人一人違うため、さまざまな症状を呈しますが、おもな症状は「目のかすみ」や「まぶしくなる」「片眼で見ても物が二重三重に見える」などがあります。●病因 白内障の原因として最も多いのは加齢によるものであり、一種の老化現象のため、個人差はありますが、誰でも年齢とともに水晶体は濁ってきます。 ほかの原因としては、アトピー性皮膚炎や糖尿病などの合併症として比較的若い人でも白内障を発症する場合があります。 その他にも母親が妊娠中に風疹に感染するなどが原因で生まれつき白内障になってしまう場合や外傷や薬剤の副作用で白内障が起こる場合もあります。●予後 白内障になったからといって、すぐに失明することはありませんが、年齢とともに徐々に進行するため、視力は白内障の進行とともに下がっていく可能性があります。166ページの写真は白内障が最も進行して成熟白内障となった状態ですが、ここまで進行すると視力は指数弁や手動弁まで下がることもあるため、生活にある程度支障を来す視力になったら手術を勧めます。 もともと中国では目の病気に対して、眼球内の病気を「内障眼」、眼球外の病気を「外障眼」と呼んでいました。さらに眼球内の病気は瞳孔の色で呼称され、瞳孔内が白く見えることから「白内障」となったそうです。疾患トリビア疾患トリビア「白内障」の語源は?167167眼科ケア 2021年 春季増刊

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