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どんな病気かどんな病気か●症状 眼瞼の発赤、疼痛、腫脹を生じ、かゆみを伴うこともあります。悪化すると発赤と腫脹が増し、強い疼痛や圧痛を生じます。●病因 眼瞼分泌腺の細菌感染による化膿性炎症です。眼瞼の皮膚側のまつげに付属する皮脂腺(ツァイス腺)、汗腺(モル腺)に生じたものを外麦粒腫(44ページの写真)、眼瞼内の脂質を分泌するマイボーム腺に生じたものを内麦粒腫(図1)といいます。主たる起炎菌は、眼瞼常在菌である黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌です。●予後 進行すると数日で病変部の中心に膿点が形成され、自壊、排膿して疼痛、発赤腫脹は軽減して治癒に向かいます。なお、外麦粒腫は皮膚面から、内麦粒腫は結膜面から自壊、排膿します。自壊しない場合、重症例では穿刺・切開排膿が必要になることがあります。乳幼児や糖尿病や免疫能の低下した患者さんでは、眼窩蜂巣炎へと急速に進行することもあり、注意が必要です。 一般的に「ものもらい」「めばちこ」と呼ばれますが、「めいぼ」「おひめさん」など、地域により呼称はさまざまです。疾患トリビア疾患トリビア「麦粒腫」以外の名前がある?図1内麦粒腫4545眼科ケア 2021年 春季増刊

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