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呼吸器ケア 2018 夏季増刊25Part 2気管チューブスパイラルチューブは柔らかく、またチューブの弯曲を変えやすいため、気管支ファイバースコープの走行に沿って進みやすいことから、挿管ガイド下に使用するチューブとして適しています2)。スパイラルチューブの中でもパーカースパイラル気管チューブは、先端が柔軟でソフトであり、気道の組織に当たっても曲がってたわむため、組織を傷つけにくい構造になっています。また、先端が内側にカーブしているため、ファイバースコープなどの挿管ガイドとの間にギャップが生じにくくなっています(図2)。これにより、声門通過時のチューブの先端が引っかかることなく、スムーズに追従させることが可能となっており、気道確保が困難と予測される場合の使用に適していると考えられます。 MRIは強力な磁石でできており、磁石に吸い寄せられるような金属を身に着けて入室することは禁止されています。スパイラルチューブは金属製のらせん状補強材を使用しているため、MRIの検査はできないことになっています。医師が気づかずにMRIをオーダーした場合、その旨を報告しましょう。スパイラルチューブは屈曲には強くできていますが、チューブが押しつぶされて閉塞した場合はもとに戻りません。患者が強くチューブを噛んだ場合、金属製のらせんがつぶれたままその形状を維持するため、チューブがつぶれたままになってしまいます。バイトブロックを適切に使用し、未然にチューブの閉塞を予防しましょう。ナースは何に気をつけるの?MRIは禁忌となっている患者がチューブを噛まないように注意する図2パーカースパイラル気管チューブ(日本メディカルネクスト)の特徴先端が柔らかく、組織を傷つけにくい先端が内側にカーブしており、挿管ガイドと密着パーカーパーカー従来品従来品図1通常の気管チューブとスパイラルチューブの違い通常の気管チューブは折り曲げると屈曲し、閉塞してしまうスパイラルチューブは閉塞しない

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