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呼吸器ケア 2018 夏季増刊102 患者自身の咳嗽だけで口腔内および鼻腔内から分泌物を喀出することが困難な場合、また、気管チューブなどの人工気道が留置され、分泌物があると評価された場合は、吸引を行います。気道内の分泌物による狭窄や閉塞を解除することにより、安楽な呼吸を促し、さらに肺胞でのガス交換能を維持・改善するために使用する器具が吸引カテーテルです。 そして、気管吸引には開放式と閉鎖式があります。開放式吸引は人工呼吸回路の接続部のコネクターを人工気道から取り外し、気道を開放した状態で気管チューブ内に吸引カテーテルを挿入して行う方法です。 吸引カテーテルには、口腔・鼻腔用および気管挿管用があります。アダプターのサイズによって色が決められており(図1)、口腔・鼻腔用は粘膜を傷つけないように、柔らかく弾力があるのが特徴です。気管挿管用は、口腔・鼻腔用に比べると適度なコシがあり、表面はエンボス加工(梨地加工ともいう)で、挿入しやすい構造になっています(エンボス加工による効果は後述)。気管挿管用には、吸引圧調整口付きや、目盛りが付いているものと付いていないものがあります(図2)。さらに先端の形状は2種類あり、通常のストレートタイプと、先端に角度が付いたアングルタイプがあります(図3)。アングルタイプは、より選択的に左右の気管支に挿入しやすいとされています(図4)。しかし、気管分岐部を越えての吸引カテーテルの挿入は、気管分岐部の損傷や、気管支の攣縮などを起こすリスクが高まるため推奨されていません。やむを得ず実施する場合は愛護的に行い、喘鳴や笛声音などの出現に十分に注意する必要があります。この物品は何のためにあるの?どんな種類があるの?40開放式吸引カテーテル図1アダプターのサイズによる色の違い吸引カテーテルの外径とカラーコードカテーテル外径カラーコード(mm)(Fr)26薄緑2.678薄青3.3310黒412白4.6714緑6Fr8Fr10Fr12Fr14Fr
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