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呼吸器ケア 2018 冬季増刊1123章人工呼吸中の管理ABCDEFバンドル1北里大学病院 集中治療センター RST・RRT室 係長/集中ケア認定看護師森安恵実 もりやす・めぐみ 朝、業務分担表を見て、あなたが人工呼吸器を装着されている患者の担当であると知ったら、何を思いますか?  「大変な一日が始まるな」「挿管している患者の口腔ケアは苦手」「アラームの意味がよくわからないから担当するのが嫌だな」「インシデントを起こさないように頑張らなきゃ」「時間内に仕事が終わるかな」など、いろいろ考えませんか? 人工呼吸器装着患者の担当は、業務量が多く、インシデントを起こさずに慎重かつ細やかなケアが必要とされるので、そう思うのも当然です。これは、看護師にしかわからない感覚(思い)かもしれませんね。 ここでは、そういった日々の業務からの視点ではなく、もっと大きく、広く、長期的な視点から、患者の予後改善や合併症の予防のために、多職種が連携して管理することについて示したいと思います。ABCDEFバンドルが生まれた背景 長年この分野では、ICUでの集中治療管理と、死亡率についてが研究の主眼となっていました。それが今、医療の進歩やさまざまな研究の成果により、「ICUからかろうじて生きて退出すればよい」という段階から「退院および社会復帰」へと、目標が上がってきています。 米国医療の質改善研究所(Institute for Healthcare Improvement;IHI)が2001年に、医原性リスクが患者にもたらす不利益の存在と医原性リスクの特定および対策の重要性を示し、「VAPバンドル」などの各種感染管理、医療安全の強化、静脈血栓塞栓症対策でこれらを病院全体で対策することを提唱しました。医原性リスク低減戦略の重要性から、2010年に、敗血症患者におけるせん妄・ICU-AWの関連図(図1)などを提示しつつ、

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