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075みんなの呼吸器 Respica 2020夏季増刊CHAPTER0開始から離脱までCHAPTER3アラーム機能CHAPTER4呼吸をもっと快適にするCHAPTER5離脱・抜管CHAPTER6人工呼吸ケアレベルアップ巻末資料CHAPTER1全機種共通で覚えるCHAPTER2換気設定で必ず使う機能 量規定換気(volume control ventilation;VCV)は患者の肺の状態にかかわらず、設定した一回換気量(人工呼吸器から送気されるガスの量)で換気を行う換気様式です(図1)。吸気流量が設定できない機種の場合 吸気流量が設定できない機種では、「吸気時間」を設定することで吸気流量を決めることができます。例えば、一回換気量500mLで吸気時間1.0秒とすると、吸気流量は次の式で求めることができます。吸気流量=一回換気量(L)÷吸気時間(min)=0.5L÷1/60min=30L/minVCVで漸減波が選べる機種の場合 VCVの吸気流量は一定のため矩形波となり、圧波形は右上がりの形となります(図2)。人工呼吸器の機種によっては漸減波が選べる場合があります。漸減波は吸気流量が一定ではなく、吸気流量は矩形波に比べて徐々に遅くなるため、気道内圧は上昇しにくくなります。また、矩形波と同じ換気量を得るために吸気時間が長くなります(図3)。VCVのメリットと吸気終末プラトー(EIP) VCVは設定した一回換気量が必ず保証されますが、気道狭窄やコンプライアンスの低い肺にはガスは入りにくいため、吸気終末時に人工呼吸器の呼気弁を一定時間閉じるEIP(end-inspiratory plateau:吸気終末プラトー)を設定することで、不均等換気の是正を図ることができます(図4)。このEIPを設定することで、圧波形から気道抵抗(レジスタンス)やコンプライアンス(肺の膨らみやすさ)の変化を読み取ることができます(→Chapter.1-7)。 VCVで重要な設定は「一回換気量」と「吸気流量(流速)」図1 VCVの換気様式のイメージ換気設定で必ず使う機能を完全マスター換気様式①VCV05CHAPTER2

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