009みんなの呼吸器 Respica 2020夏季増刊CHAPTER2換気設定で必ず使う機能CHAPTER3アラーム機能CHAPTER4呼吸をもっと快適にするCHAPTER5離脱・抜管CHAPTER6人工呼吸ケアレベルアップ巻末資料CHAPTER1全機種共通で覚えるCHAPTER0開始から離脱までⅠ型呼吸不全 Ⅰ型呼吸不全に対しては酸素化を改善しなくてはいけませんので、酸素濃度を上げる、PEEPを上げるなどの対応を行います。ただし、Ⅰ型呼吸不全には「拡散障害」「換気血流比不均等」「シャント」の3つの病態がありますので、それぞれの病態に合った対応をしなくては呼吸不全は改善しません。例えば、シャントを有する病態に対しては吸入酸素濃度を上昇させてもあまり改善しませんし、PEEPを上げたとしてもシャント部分の換気が改善しなければ有効ではない上に、正常な部分の血流を減らしてしまい、かえって酸素化を悪化させる場合もあります(図2)。Ⅱ型呼吸不全 Ⅱ型呼吸不全は「肺胞低換気」が主病態ですので、適切に換気量を増やす必要があります。このため、換気回数を増やす、一回換気量設定を増やす、吸気圧を上げるなどの対応を行います(図3)。図2 Ⅰ型呼吸不全に対する過剰なPEEPは悪影響図3 Ⅱ型呼吸不全には換気量を増やすことが必要(横山俊樹)
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