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 糖尿病があると、なぜ足を気遣いフットケアする必要があるのか、糖尿病と足の関係を示して説明していきます(92ページ)。糖尿病は症状が乏しく、検査データと自分がとらえる健康状態とのギャップがあり、実感してもらいにくい病気です。しかし、医療者と一緒に自分の足を見て、触れて、足の感覚の鈍さに気づくことで、ハッとして高血糖の影響を理解することがあります。 また、足や爪の形、皮膚の状態には、仕事や趣味、清潔習慣、生活環境といった、その人のライフスタイルを反映していることもあります。足に現れていることを通じてコミュニケーションが図られ、患者さんの理解と関係性が深まり、療養支援のヒントを得ることもあります。まず、患者さんと一緒に足を見て、触れるきっかけづくりをしましょう。 実際にどのようなフットケアをするのか、具体的に説明していきます(93ページ)。視力障害のある人には、シートを拡大して見せてもよいでしょう。92ページのときと同様に、足を一緒に観察し、患者さんの体験や日ごろのケア方法を聴きながら行うと、より効果的です。1.足をよく観察しよう! 足を観察するポイントです。一緒に観察することで足の状態を知ると同時に、足を観察しケアするための視力や動作能力があるかを判断します。患者さんだけでは難しい場合は、協力者に依頼したり医療者が定期的にフットチェックをしたりするようにしましょう。鏡や拡大鏡、最近ではデジタルカメラを使った観察も有効です。2.わが子のようにやさしく足を洗おう! 感染防止とともに、足はデリケートで大切に扱うもの、大切な存在であることを伝えます。3.足がイキイキよみがえる! 保湿ケア 適切な保湿ケアは、皮膚のきめを整え防御機能を高めます。とくに入浴後20分以内だと、浸透効果が上がります。ガサガサした踵部や硬い胼胝に保湿クリームを塗布することで皮膚状態が改善すると、より足に関心が高まり「糖尿病をよくしたい」という動機づけになります。4.足を守る強力な味方! 靴下を履こう 外的刺激による外傷や感染予防になります。ただし、毎日履き替えることと、できれば異変に気づきやすい淡い色の靴下を選ぶことを指導します。5.思っているより熱いかも? やけどに注意! 神経障害や血流障害から、多くの糖尿病患者さんは足の冷えを感じています。家での暖房器具の使い方を確認し、低温熱傷のリスクとなる使い方をしていたら代替案をともに考えます。糖尿病とフットケアの関係を説明しよう患者さん自身の足を守るためのケア94糖尿病ケア 2016 春季増刊解説ページ

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