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をくり返すことが有用です。 また初回の栄養食事指導では、いきなり過食などの問題点の指摘を行うような指導ではなく、患者さんとの信頼関係の構築を担保する時間を設けることが、以後の療養指導の継続につながるためとても重要となります。そしてこのあとに示す栄養アセスメント項目によって、十分な情報共有を図る必要があります。 とくに、肥満(体脂肪量が増加)していることのボディーイメージができない患者さんもいることから、「体脂肪モデル(1kg)」(図1)を用いて具体的な体脂肪蓄積の問題点を理解してもらうことは、とても効果的です。 さらに、最近の話題として「腸内細菌叢が肥満に影響する」という報告3)があります。細菌叢の構成は早期に環境曝露の影響を受け、一般的に家族のあいだでより似ていると考えられており、患者さん本人のみへの栄養食事指導だけではなく、家族を含めた体重管理(健康管理)を行うことが有用と考えられ、話題を提供しています。栄養アセスメント項目●体重歴 これまでの最高体重、最低体重の確認に加えて、20歳ごろの体重を確認します。いつごろから肥満となったのか、ここ数年の体重変動(それに伴う血糖変動のイメージ)はどうか、さらにこれまでに行った減量法とその効果なども確認しておくことが重要です。●肥満の程度 身長、体重に加えて、体脂肪率(量)、骨格筋量、体水分量、ウエスト周囲長、基礎代謝量などの測定が有用です。必要に応じて呼気ガス分析なども実施し、おもな代謝栄養成分の分析結果から減量効果を予測、判定することも重要となります。図1●体脂肪モデル53糖尿病ケア2018 秋季増刊患者にぴったりの指導ツール&手法を公開!合併症や併存疾患のある患者への食事指導術第2章

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