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患者紹介52歳、男性。身長165cm、体重66.5kg。独身で両親と同居している。仕事はマンション経営。糖尿病歴:20年。 家族歴:母親(2型糖尿病)。初回データ:HbA1c 10.3%、FBS 225mg/dL。使用薬剤:スルホニル尿素薬、ビグアナイド薬、チアゾリジン薬、スタチン。 糖尿病と診断されても多くの患者さんは自覚症状が乏しく、自分の体内で起こっている糖尿病の影響を実感できないため、病気と向き合うことが難しい場合がほとんどです。また合併症に関する知識を持っていても、「自分には起こらない」と楽観的に考えている患者さんが多くみられます。患者さんは、仕事、家族、経済などさまざまな状況、感情のなかで生きているので、いつも糖尿病のことだけを考えているわけではありません。食事療法ができないいろいろな事情があります。医療者は行動変容が起こるのを根気よく待つことが大切です。そのためには食事指導を継続してもらい、徐々に互いの信頼関係をつくる必要があります。第3章症例でみえる! ケース別食事指導のコツ糖尿病の自覚がなく食事療法への意欲がみられない患者京都女子大学家政学部食物栄養学科教授 今井佐恵子(いまい・さえこ)梶山内科クリニック院長 梶山静夫(かじやま・しずお)1102糖尿病ケア2018 秋季増刊
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