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血糖とインスリンのはたらき●血糖とは ブドウ糖は体内の主要なエネルギー源です。健常人において血糖値(血液中のブドウ糖濃度)は、70〜140mg/dLの狭い範囲内にコントロールされています。循環血液量は体重60kgの成人で約3Lですから、このとき血糖値が100mg/dLということは血液中に含まれるブドウ糖はわずか3gということになります。 一方、毎回の食事からは約100g前後の糖質が供給されています。糖質は消化され、ブドウ糖として血液中に吸収されます。100g近い大量のブドウ糖は2時間程度で血中に吸収されますが、血糖値は140mg/dLを超えないようインスリンというホルモンによって調整されています。●インスリン分泌とは 食後の血糖は、ごはんやパンなどに含まれる糖質が消化吸収されたブドウ糖がおもな供給源となります。食事から吸収されたブドウ糖は、膵臓から分泌されたインスリンによってすみやかに処理され、肝臓や筋肉にグリコーゲンとして、また脂肪組織にはトリグリセリドとして蓄えられます。したがって食後のインスリン分泌量は、食事中の糖質量に大きな影響を受けることになります。このような食後の血糖を調整するインスリンを「追加分泌」といいます。 空腹時では肝臓のグリコーゲンが分解されブドウ糖の供給源となりますが、インスリンは肝臓からブドウ糖を放出しすぎないよう、血糖値を70mg/dL以上110mg/dL未満に調整しています。空腹時の血糖をコントロールするために、24時間少量持続して分泌されるインスリンを「基礎分泌」といいます1)。第1章基本をおさらい! 糖尿病食事療法1糖尿病ではなぜ食事療法が必要なのか山口赤十字病院栄養課長 野﨑あけみ(のざき・あけみ)10糖尿病ケア2018 秋季増刊

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