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糖尿病ケア2020年 秋季増刊171型糖尿病や急性発症1型糖尿病に類似した糖尿病が発症することが報告されています5)。■3そのほかのインスリン不足の原因 このほか、インスリン分泌に関するさまざまな遺伝子異常によってもインスリン分泌不足になることが知られています。また2型糖尿病においても、後述のインスリン抵抗性の病態において、異所性脂肪などによる脂肪組織における慢性炎症など、インスリン抵抗性の病態そのものが膵β細胞の機能低下や量的低下などを招くのではないかと考えられています(図2)6)。インスリン抵抗性 インスリン抵抗性とは、肥満、過栄養、運動不足など生活習慣の乱れなどが原因で、内臓脂肪や脂肪肝、筋肉内脂肪などの異所性脂肪が蓄積するなどして、インスリンが効きにくくなっているというインスリンの作用障害(インスリンの感受性低下)の状態を指します。最近では、前述したように、その病態に肥満に伴う脂肪組織の慢性炎症が大きく関与しているといわれています。図1▶1型糖尿病の発症機序膵臓β細胞遺伝因子自己免疫インスリンインスリン分泌不全高血糖ウイルス第1章高血糖・低血糖が全身に与える影響

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