130211551
13/14

11Nursing BUSINESS 2015 夏季増刊個人の知の見える化第クール12つ目は、「認識と行動の一貫性」です。今、ただ動いているだけの看護師がすごく増えているような気がします。その理由は明確です。平成15(2003)年のDPC(包括医療費支払い制度、現DPC/PDPS:以降DPCと略)以後、病院は「入ったら出る、入ったら出る」の病院工場になってしまいました。看護師はそこに対応するだけで精一杯。動かざるを得ないから動くんです。動くためには考えて行動しますが、その考えと行動が切れてしまって、ただ動くだけになっている。でもベテランの看護師は、無意識に考えて行動しています。つまり、その行動は認識に導かれているのです。無意識を意識化して意識的に行動に結びつけていくのが専門職だろうということで、「認識と行動の一貫性」を2つ目にあげました。3つ目は、「未来に向かう実践知・創造」です。今日来ていただいた皆さんは豊かな経験を持っている方々です。過去、今までにたくさんの経験をされて、今日、現在ですね、この研修に皆さんが来たのは、未来に向けてもう一歩進みたいという思いからだと思います。そして未来に向けてさらに自分のなかで意味づけを続けていく。実際に実践してきたことから自分たちがつくり上げていく、未来に向けて「生成」していくということですね。これを違う言葉でいうと「創造」していくということです。この3つを研修のメインテーマと考えています。表1-1 陣田塾の目的・目標1.「経験の概念化」  看護師として働いてきたこれまでの経験を振り返り、その意味を見出すプロセスを学ぶ(帰納的学習法)2.「認識と行動の一貫性」  専門職として実践の質的向上を導く「認識の発展」について理解する (看護は、実践に導かれる)3.「未来に向かう実践知・創造」  経験の概念化の結果、導き出された「看護の関心領域の明確化」を経て、未来に向かって「強みの実践知」へファシリテートできるスキルを習得する(コンテクスト・ラーニング)

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る