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8Nursing BUSINESS 2017 春季増刊 看護補助者の積極的な活用は、医師や看護師がその専門性を発揮できる環境をつくります。さらに、看護補助者自身がチームの一員としての役割を果たすことで、患者の安全と医療の質の向上にもつながります。ただし、急性期病床における看護補助者の活用が、配置数が増加した割には十分ではないという現状もあります。 看護補助者活用の可能性と現状を考えていくために、まずは看護補助者活用の歴史をみていくことにします。 看護補助者活用の歴史は、「家族の補助」から「看護師の補助」、そして「チームの一員」へと続き今に至るのが大きな流れです(図1-1)。その流れの要所を示したのが、「看護補助者活用推進の流れ」です(表1-1)。「家族の補助」としての時代 かつて、患者が入院すると身の回りの世話は家族の役割でした。患者の寝具は家族が持ち込み、家族は病院に泊まり込み3度の食事の準備をしました。家族が無理なときは、付添人が家族の代わりをしました。 その風習を180度転換させたのが、1950年から始まった「完全看護」です。これは、入院したら患者の身の回りの世話を含め病院側が面倒をみるのが本来の姿であるとする考え方で、看護婦(当時の呼称)と看護補助者がその任に当たりました。 8年後の58年、「完全看護」は「基準看護」に変わります。これは、看護婦の「補助者」からチームの一員へ11第1章▶看護補助者の活用が急がれる理由看護補助者活用の歴史家族の補助看護師の補助チームの一員看護補助者導入の歴史図1-1

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