ピリチュアルな側面から支援します。また、看護を必要とする人のアドボケーターとし意思決定を支援し、変化によりよく適応できるようコーディネーターとして支援します。さらに、必要に応じてチーム医療を展開します。 患者が早く回復できるように、医師の指示のもとで診療の補助や特定行為を行い、その反応を観察して必要なケアを適切に提供します。病院では入院前から退院支援を行いつつ、退院後にその人らしい生活が送れるよう調整します。さらに緊急時には効果的な対応を行います。こういったことが主な看護サービスの実践の内容です。 このような看護サービスを提供するために、看護職は観察し変化していく患者に必要な支援内容を明確にし、計画を立案します。アセスメントを行い、何が起こっているのか、何をしたらいいのか、しなければならないのかなど、さまざまな予測をします。予測し判断をして、実行した後に評価を行います。看護記録には看護サービスの実践が経時的に記されています。ですから、一連の看護記録は患者の思いや状態、どのような治療やケアを行ったか、行った結果どうであったかがわかるものになっています。つまり、看護記録は「行った看護実践を証明するもの」にもなるのです。 このように看護記録は、看護実践を証明することができ、法的根拠や診療報酬算定の要件を満たしていることを示す証拠ともなります。そのため、事実を正確に記載する正確性が求められます。とくに日時や記載者名が必須となります。他にも記録の質や量の担保と向上のため、各施設での記録の記載基準の充実と監査項目に沿った評価による監査が重要となります。 さらに、看護サービスの実践に関する記録の取り扱いは、個人情報の保護、守秘義務を遵守し、他者との共有は適切な判断のもとに行う必要があります。 看護記録は4つの要素から構成されています(次ページ図1)。まず、基礎(個人)情報、そして、看護計画、経過記録、看護サマリーです。 しかし、電子カルテにおいては6つの要素に区分されています。6つの要素とは、看護データベース、看護計画、結果記録、医師オーダ実践記録、看護サマリー、患者管理情報です(次ページ表1)。看護記録の構成Nursing BUSINESS 2018 秋季増刊111●地域包括ケア時代の記録活用1章 理論編2章 Q&A3章 応用編
元のページ ../index.html#11