130211952
10/16

36Nursing BUSINESS 2019 秋季増刊クリニカルラダーを攻略する 2017年に発表された 「中小規模病院の看護の質の向上に係る研修等に関する調査」結果1)によると、教育内容を充実させる取り組みの中で、病院での看護師の能力評価・開発におけるラダー導入状況について、25.6%の病院が「導入している」、22.6%の病院が「クリニカルラダーまたはキャリアラダーの導入を検討している」ということでした。このことから、ラダー導入への取り組みが進んでいることがわかります。 一方で、ラダーの導入や運用にはまだ課題が多いことも示唆されています。JNAラダーを導入する予定のない病院の理由として、「JNAラダーに基づく教育を計画・実施する人材と人員が確保できていない」が49.2%、「導入を検討する人材と人員が確保できていない」が48.7%、「JNAラダーに基づく教育を計画・実施する時間が確保できない」が35.1%といった結果が出ており、導入に向けて、教育計画を立案する人材の育成が課題であることがわかります。 なお、本稿におけるクリニカルラダー、キャリアラダーの定義は、日本看護協会の「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」活用のための手引き2)の定義に準じ、次のとおりとします。1クリニカルラダーを運用する前に看護管理者が心得ておきたいこと人間環境大学 看護学部看護学科 看護管理学 講師/キャリアデザイン支援室長 兼 実習センター長  加藤由美 クリニカルラダーとは、知識や技術の習熟の度合いを測ることができ、またキャリア開発・キャリア発達を支えるツールです。 2016年5月に日本看護協会が「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」(以下、JNAラダー)を公表しました。以後、クリニカルラダーへの関心は高まり、導入や活用への検討が各施設で進められています。 本稿では、看護管理者がクリニカルラダーとうまくつき合うためのノウハウを、人的資源管理の視点で解説します。

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る