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98Nursing BUSINESS 2019 秋季増刊はじめに 継続教育における施設内教育の人材育成計画として、多くの施設でクリニカルラダーが活用されています。2016年に日本看護協会が公表した「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」では、5段階のレベルと4つの看護実践能力が示されました。ここではとくに、「JNAラダー各レベルに対応した学習内容一覧」の各習熟段階に対応した学習内容から、今とくに求められる能力について考えてみたいと思います。図1は「JNAラダー各レベルに対応した学習内容 一覧」から、その能力を一部抜粋したものです。この表を概観すると、施設で必要な看護実践能力を見つめ直すことができます。ニーズをとらえる力 フィジカルアセスメントの知識に基づき、正確なフィジカルアセスメントを実施し、正常・異常を判断する力から、段階的に、発達段階や病期、病態、経過など複雑な状況もとらえることができるフィジカルアセスメント力が求められます。 また、ここで重要なポイントは、身体面が「疾病や障がい」と「生活」の2側面で、また精神面、社会面、価値観や信条の側面(スピリチュアルな側面)をアセスメントする力が示されていることです。看護師は医師が行う病状や病態とその治療、予後などの説明時に同席し、病状や病態が生活に及ぼす影響をアセスメントした結果を説明することが求められます。1今とくに求められる能力をラダーを活用してどう伸ばすのか人間環境大学 看護学部看護学科 看護管理学 講師/キャリアデザイン支援室長 兼 実習センター長 加藤由美 クリニカルラダーを活用し、これからの時代に求められる能力を伸ばすためにはどのような視点が必要になるでしょうか。その参考になるのが、日本看護協会の「JNAラダー各レベルに対応した学習内容一覧」に示されたレベルごとの到達目標や各習熟段階に対応した学習内容です。

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