155Nursing BUSINESS 2019 秋季増刊マネジメントラダーの作成・運用・評価第 章4にくいことが課題となりました。 看護管理能力の向上を図っていくためには、看護管理者自身が自分の看護管理能力についてアセスメントを行い、自らの強みや弱みを認識しながら行動していくことが重要となります。そのため、看護管理能力を行動レベルで評価する指標が必要と考えました。 そこで、2012年度に行動レベルで評価する指標がないかを検討し、人材育成の重要な概念として注目されているコンピテンシーの概念に着目しました。宗村が報告した「チーフナースのコンピテンシー」1)を参考にコンピテンシーに関する文献学習を進めていくと、看護管理者の「意図的な行動」は思考パターンを含む総合的な能力が発揮されたものであると認識することができました。そこで、マネジメントラダーにSpencer & Spencerのコンピテンシーの概念を導入することとしました。コンピテンシーの概念の導入 コンピテンシーとは、「ある職種または状況に対し、基準に照らして効果的、あるいは卓越した業績を生む原因としてかかわっている個人の根源的特性」2)と定義されており、氷山モデル(1993年Spencer & Spencer)で説明されます(図1)。人は目に見える知識や技術だけでなく、目に見えない隠された自己イメージ(態度、価値観など)、特性(身体的特徴、あるいはさまざまな状況や情報に対する一貫した反応)、動因(個人が行動を起こす際に常に考慮し、願望す技術知識目に見える隠された自己イメージ特性動因氷山モデル3)図1
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