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11Nursing BUSINESS 2019 秋季増刊これからの教育体制・人事評価第 章1メントラダー」などが施設単位で生み出されてきました。そして、2016年には施設の種類や規模を問わず使用することを目的とした「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」が発表され、ラダーは施設に固有の実践能力評価システムから、全国規模で共通した能力評価を行うための仕組みに発展しつつあります。 それでは、本稿のテーマである「これからの時代に求められる教育体制」とはどのようなものでしょうか。看護師集団の変化、医療の変化から考えてみたいと思います。看護師集団の変化 1992年の「看護師等の人材確保の促進に関する法律」施行を契機に、看護教育の大学化が進展しています。2019年現在、看護師養成を行う大学数は272校あり、実に日本中の大学の約3分の1で看護師養成が行われるようになっているわけです。そして2018年の看護師養成機関卒業生のうち、看護師として就業した者の33%は大学卒業生でした(次ページ図1)。これに加えて、専修学校入学者に占める大卒者の割合も2008年以降平均7%を超えており2)、看護師集団に占める大卒者の割合は徐々に増加しています。 ところで2018年の調査では、定年を65歳以上に設定、または、65歳以上までの継続雇用制度を導入しているという施設が85.8%3)であり、高齢者雇用制度の充実が進んでいます。実際、就業看護師数は昭和の時代から右肩上がりに増加していますが、近年の増加の内訳をみると、35歳以上の看護師の増加が主たる要因であることがわかります(次ページ図2)。 さらに高齢社会のピークとされる2025年に向けた看護職員不足対策として、潜在看護職員の復職支援や出産や育児・介護で仕事を辞めずにすむような柔軟な働き方の支援などが、国の主導で進められています4)。 2017年に外国人技能実習制度の対象職種に介護職種が追加されたことなども相まって、今後ますます年齢、教育背景、国籍などが多様な人材が多様な働き方で保健・医療・福祉を支えていくことでしょう。医療の変化 持続可能な医療・介護体制の構築に向けて、地域包括ケアシステムの整備が

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