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スク・シフティングの推進に向けて、重要な役割を担うのは診療の補助を行う看護師といえます。 看護師の現行の資格制度を前提としたものに加え、特定行為研修を修了した看護師の活用や、さらに将来的にはNP資格の創設など、従来の役割分担を変えていく検討も必要になると思われます。いずれにせよタスク・シフティングを推進しつつ、医療専門職それぞれが自らの専門性や能力を生かし、医師の直接的な指示がなくても活動できる仕組みを整えることは重要と考えられます。看護職の業務の拡大によるタスク・シェアリング 医療現場では、患者にとって最も身近な医療職である看護師が患者の状況をアセスメントし、何を実施したほうがよいのかを判断します。判断可能な範囲を拡大することで、患者を待たせることなく状態の悪化を防ぎ、患者へのタイムリーな対応が可能となります。そのためには、看護師がそのときに必要と判断した血液検査や心電図等、医師が診察し診断するために必要なデータをそろえることで、医師の業務の効率化につながることになります。 また、看護師が患者の要望や状態をアセスメントしながら必要な医療ケアをタイムリーに提供できれば、患者の要望に対応でき、状態の緩和につながります。しかし、たとえば疼痛緩和や排便コントロールのための薬剤、スキンケア軟膏、ドレッシング材等はすぐには使用できません。医師に薬の提案を行っていても、医師が診察し処方して薬剤を受け取るまでは使用できない現状があります。すべての看護師が自律的に判断できる範囲を拡大することで、患者へのタイムリーな対応や医師の業務の効率化が図れることになります。 地域において地域包括ケアシステムを推進するうえで、特定行為研修修了者はキーパーソンといえる人材です。特定行為には、在宅でもニーズが高い褥瘡のデブリードマンや気管カニューレの交換、胃ろうカテーテルの交換等があります。過疎地や遠方等で高齢者や通院手段がない人等が医療処置を継続する必要がある場合、看護師が在宅でのケアを行うことで、より迅速に手順書に沿って実施の必要性の判断を行い、訪問時に処置を終えることができます。この対応は、特定行為研修を修了した看護師が在宅看護を行うことで、看護師が判断・実施できる範囲が拡大し、より迅速なケアの提供につながっており、患者の苦痛を早期に緩和し、また時間的、経済的な負担を軽減することに貢献して11Nursing BUSINESS 2020 春季増刊第 章1医療現場におけるタスク・シフティング

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