130212051
14/16

シャインのキャリアアンカー診断では、40個の質問に回答することで8種類のキャリアアンカーのうち、1~8位までの順序をつけることができます。1位は最も自分らしいアンカーで、8位は最も自分らしくないアンカーです。キャリアアンカーの「アンカー」は、「錨いかり」という意味です。綱引き競技では、いちばん体重が重く、力のある人を最後尾に置きます。リレーのアンカーもここからきています。キャリアアンカーを用いたキャリアカウンセリングの実践看護の仕事は、自分が得意なことと、しなければならないことが常に一致しているわけではありません。たとえば、人に教えることは得意ではなくても、役割上、新人教育や学生実習を担当しなければならないことがあるでしょう。また、自分が得意な仕事をしていても、突然、専門外の部署への異動を命令されることもあるでしょう。このように、キャリアの方向性を見失ったときなどには、自分自身に問いかけたり、他者に語ったりすることで、キャリアのパターンが少しずつ明らかになり、自分自身の行き先を明らかにすることができます。そこでスタッフナースに対する面談の中で、みなさんがキャリアの3つの問いを投げかけ、それに対して相手に自分自身を語らせることで、スタッフナースは、自らを内省する機会を得ることができます。これは、キャリアカウンセリングして用いられる手法の1つでもあります。ただ、その際、いくつか留意点があります。まず1つ目と2つ目の問いである「好き、得意」「嫌い、不得意」について確認する際、「あなたは○○が得意ですね?」「あなたがやりたいことは△△ですか?」のように、相手を誘導したり、一方的に定めたりしてはいけません。なぜなら、自ら語ることでしか、アンカーのパターンは浮かび上がってはこないからです。「自分で話をしていて、私が今やりたいことは○○だということに気がつきました」と相手から引き出すことのできる質問の仕方14Nursing BUSINESS 2020 夏季増刊

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る