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11Nursing BUSINESS 2020秋季増刊新人看護職研修の努力義務化から10年 2010年、看護の質向上と医療安全の確保、そして新人看護職の早期離職防止を目的とし、新人看護職研修が努力義務化となりました。各施設では組織体制を整備し、新人看護職員研修の拡充を図ってきたことと推察します。ただ、この10年の間に、新人の様相も変化していることを感じていませんか? 看護師を目指した理由も以前より多様性が見られ、親や教員にすすめられたという人も少なくないように思います。看護師になるという思いが学生時代に醸成されず、いわば未発酵の状態で就職すると、転職が当たり前の現代社会の後押しもあり、あっさり退職してしまいます。たとえ周囲のサポートで1年目を乗り越えたとしても、2年目になると急に指導の手が離れて自立を求められるようになり、2年目のリアリティショックに陥って退職に至ります5)。 また、手厚くなる新人研修の一方で、2年目看護師をはじめ他のスタッフへの教育は拡充できているでしょうか。研修数を増やすことは本意ではありません。その年代や役割に見合う研修を提供できているかが課題なのです。 院内のリソースでは難しいと判断したならば、外部講師を招聘したり、外部の研修へ参加させたりすることも効果的です。筆者が推奨するのは、「サードプレイス」と「越境学習」という考え方です。サードプレイスとは、家でも職場でもない第三の居場所のことであり、学習者に多くの刺激を与え、さらなる成長へと導いていく場とされています。このサードプレイスを通して、職場外の人と交わり学びを重ねていくことを越境学習と呼びます。近年、企業で兼業が推奨されるようになったのは、この越境学習による学びが自社の業務に役立つという成果を踏まえてのことです。 施設によっては、企業が行う院外研修を院内研修の一部に取り込み、年間計画を立案しています。学習者からは、「他の受講者と交流することで自施設の現状を客観的にとらえられる」「毎回いろんな人と出会えるだけでなく、他施設の看護師の友人や他の職種の友人もできるので知見が広がる」などの声が寄せられています。かわいい子には旅をさせよ、ではありませんが、外を知ることで見える中のよさがあるのかもしれません。 以上のような時代および教育における背景を踏まえて、これからの研修のあり方を考えていきましょう。これからの時代に必要な院内研修を考える第1章

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