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12Nursing BUSINESS 2020秋季増刊 みなさんの施設では、どのような研修を実施しているでしょうか。看護技術研修にはじまり、医療安全や感染、メンバーシップやリーダーシップ、リフレクションや看護観を育む研修、コミュニケーションや英会話、多職種連携やチーム医療、看護研究や倫理研修、教育担当者や管理職研修などなど、実に多くの研修を行っていることと思います。あえてここでは、一つひとつの研修名を提案せず、各施設で必要な研修を分析できるような枠組みをご紹介します。院内教育改革のプロセス 図2は、学校教育において学習者中心の教育改革を求められた際に示された手順の1つです。学習者中心の教育が求められているという共通点から、院内教育の改革にも参考にできる資料だととらえています。図を読み解くときには、院内の場面に置き換えながら閲覧をしてください。 まずは、ステークホルダーのニーズをくみ取ることからはじめます(Step1)。ステークホルダーとは利害関係者のことです。患者や地域住民、院内の教職員はもちろん、未来の職員となる看護学生もとらえておきましょう。学生らは、福利厚生が充実した施設を志望するほか、卒後教育が充実した施設にも魅力を感じています。ステークホルダーに学生も含めることで、院内教育の充実や実習指導での適切な関わりが人材確保にもつながることが期待できます。このニーズ調査においては、表層的な顕在ニーズだけでなく、潜在的なニーズもとらえることが鍵となります。そのためには、単なるアンケート調査だけでなく、対話を通して真のニーズを把握していくことが求められます。 次に、ニーズに基づいて輩出すべき具体的な人材像を検討します(Step2)。この人材像の検討においては、病院や看護師の理念、ラダーの段階なども踏まえ、どの段階に何を求めるのかについても具体的にできるとよいでしょう。目標となる人材像の検討ができたら、各師長や院内の教職員からの声、実習生からの声、患者満足度調査や投書箱に寄せられる声、研修の様子などをもとに現状をとらえ、目標と現状との間にあるギャップ=解決すべき課題を把握します。 そのうえで、このギャップを埋めるための課題解決方法として、教育プログラム全体の設計を見直します(Step3)。教育プログラムを変更したならば研修2求められる研修のニーズを分析する

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