“コロナ世代”はハンデじゃない! 強みを伸ばす新人看護師の育て方については、時間をかけて充実した看護過程の展開ができた結果、学生の知識・理解や思考過程の学修の強化につながったという意見が聞かれています。また、グループワーク中心の展開は、学生間によるグループワークを通した学びの深まりや振り返りと共有学修の充実にもつながったことが報告されています。そのほか、教員が個々の学生の学修進度や参加状況が把握しやすくなった結果、個別指導や対応がしやすくなったことが得られていました。また、実習施設への通学時間減少にともない学修時間も増加していたそうです。興味深いのは、よかった点として“学生の心理的負担の軽減”という回答がありました。われわれの研究では、学生は実習を通してリアリティショックを体験していることが明らかとなっています。学生時代にリアリティショックを体験していないことが、就職後どのように影響していくのか。つまり、リアリティショックがどのようなかたちで出現するのかについては、追跡調査をしていく必要がありそうです。 リアリティショックとは「専門教育を受け、それによって看護の理想像が形成されるが、社会で働いた際に理想との間にギャップを感じることによって生じる現象や身体的、倫理的、社会的ショック反応」3)のことを示します。入職後3カ月前後で陥り4)5)、6カ月程度まで持続する6)とされています。リアリティショックは、新卒看護師の離職の引き金としても知られているため十分な対応が必要です。 また、就職活動の際に「丁寧な病院」と感じた組織に就職し、就職後も丁寧であることを感じている新人にはリアリティショックが見られていないこと、その病院では新人はリアリティショックがあることを前提リアリティショックの軽減を目指した対処方法図-01 代替実習による実習目標の到達状況(文献1より抜粋・引用)7.4%7.4%24.5%24.5%40.3%40.3%8.3%8.3%0.9%0.9%12.1%12.1%6.4%6.4%0%10%20%30%40%50%代替方法のほうが大きく上回った代替方法のほうがやや上回った同程度代替方法のほうがやや下回った代替方法のほうが大きく下回った判断できない無回答1.6%1.6%4.0%4.0%18.6%18.6%31.0%31.0%15.4%15.4%22.8%22.8%6.4%6.4%0%10%20%30%40%代替方法のほうが大きく上回った代替方法のほうがやや上回った同程度代替方法のほうがやや下回った代替方法のほうが大きく下回った判断できない無回答1.7%1.7%6.1%6.1%42.9%42.9%16.0%16.0%3.9%3.9%23.0%23.0%6.5%6.5%0%10%20%30%40%50%代替方法のほうが大きく上回った代替方法のほうがやや上回った同程度代替方法のほうがやや下回った代替方法のほうが大きく下回った判断できない無回答実習目標の到達状況:知識実習目標の到達状況:技術実習目標の到達状況:態度n=1289(うち非該当回答194)Nursing BUSINESS 2021 vol.15 no.4(295 )07
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