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31Nursing BUSINESS 2021春季増刊の2ndレベル、表2—2のⅡに該当する部分ですね。ここですでに「看護実践の倫理」を超えた視野が広がり始めることでしょう。各スタッフのワーク—ライフ—バランスのことや、患者さんの在院日数が関わってくる問題など、医療機関が持つ課題に発する問題を避けて通れないことになるかと思われます。③さらに管理者として上の立場(副看護部長、看護部長)になると、看護部全体のあり方、さらには医療機関としてのあり方をどうするかという課題の中で倫理面を考え合わせていかないとならなくなります(表2—13rdレベル、表2—2ⅢおよびⅣ)。 以上のことを整理して考えるために、図2—1を参考にしましょう。これは勝原裕美子さんが25人の看護部長に行った「いちばん意思決定に苦しんだ倫理的課題」をテーマとしたインタビューから48の倫理的課題を得て、これを分析した結果を「4つのアイデンティティ―17の道徳的要求」として整理をしたものです3)。この17の道徳的要求は、看護部長たちが挙げたものから質的研究の方法により得られたものと言えますから、理論的に「この17ですべてを枚挙した」というわけではありません。実際、これらに加えていろいろ付け加えたくなります。とはいえ、現場の管理者の意識を反映しているには違いありません。2章 看護管理者のための倫理表2‒2病院看護管理者のマネジメントラダーにおける倫理Ⅰ(主任)自部署の看護管理者とともに看護管理を実践できるⅡ(看護師長)自部署の看護管理を実践できるⅢ(副看護部長)トップマネジメントを担う一員として看護管理を実践できるⅣ(看護部長)病院全体の管理・運営に参画するとともに地域まで視野を広げた看護管理を実践できる組織管理能力組織の方針を実現するために資源を活用し、看護組織をつくる力自部署のスタッフが倫理的感受性を高められるよう支援することができるスタッフが自部署の倫理的課題を日常的に議論できるような組織文化をつくることができる看護部門において倫理的課題を日常的に議論できるような組織文化をつくることができる自病院において倫理的課題を日常的に議論できるような組織文化をつくることができる公益社団法人日本看護協会版「病院看護管理者のマネジメントラダー」2019より倫理関係箇所を抜粋(下線は筆者による)

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