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2看護記録の構成要素の全体像 日本看護協会が示した「看護記録に関する指針」(2018年5月)1)には、看護記録の様式として、基礎情報(データベース)、看護計画、経過記録、要約(サマリー)などがあることが記されています。したがって、ほとんどの施設では看護記録の構成を、上記を反映したものとしていると思います。ただし、看護計画に関しては、問題リストを別にしている施設があります。また、経過記録は、経時的・叙述的な記録、問題志向型(problem oriented system:POS)システムによるSOAP形式、フォーカスチャーティングのいずれかをとっている違いがあります。基礎情報とは、「看護を必要とする人の病歴や現在の治療、使用薬剤、アレルギー、さらに、身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな側面の情報などを記載したもの」1)とされています。看護計画を立案するには、患者・家族に介入すべきことがあるかどうかを判断する必要があるため、情報だけではなく、情報を分析(解釈・判断)する欄を加えて、「データベース・アセスメントシート」としている施設もあると思います。患者・家族の状態をアセスメントする際には、一定の枠組みがあると容易であり、漏れがありません。また、枠組みを用いることで、どのような観点からアセスメントし、介入するのかを明確にすることができます。したがって、データベースは、看護を展開する際の入り口としてきわめて重要になります。かつて、リハビリテーション(以下、リハ)看護に携わる看護師を対象とした研修会で、どのような枠組みを使っているか質問したところ、「V. ヘンダーソン」「C. ロイ」「NANDA-Iの13領域」「M. ゴードンの機能的健康パターン」という回答を得ました。いわゆる看護理論を用いている施設、NANDA-Iの看護診断を導くための枠組みを使用している施設があることがわかりました。「NANDA-Iの13領域」は診断ラベルの分類であって、アセスメントの枠組みには適していないことをNANDA-I自体が示しているため、今回の説明からは省略することにします。患者基礎情報(データベース)上智大学総合人間科学部看護学科教授 石川ふみよ162018秋季増刊

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