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1リハビリテーションにおける看護記録の目的と意義 看護記録は、患者の状態とともに、看護職員の看護行為の目的や必要性の判断、実施した内容を表したものです。『看護記録に関する指針』(日本看護協会、2018)には、看護記録とは「あらゆる場で看護実践を行うすべての看護職の看護実践の一連の過程を記録したもの」と定義されています1)。また、看護記録は原則として患者自身のためのものであり、診療情報の一部として、看護の内容・質を評価する指標として、法的に位置づけられています。事故などが発生した場合にはその適切性を問われる情報となり、裁判では証拠にもなります。同時に、保険医療機関として入院基本料を算定するうえで、患者個人の入院診療計画書をはじめ、経過記録と看護計画がなされている必要があります。リハビリテーション(以下、リハ)における看護記録は、患者のADLや生活再構築へ向けた社会・心理状態とその変化を、多職種で共有し連携するための情報となります。日常の看護・ケアのなかで、看護師は患者の近くにいて、ある意味良いときも悪いときもかかわります。よって、看護師が扱う情報が集約された療養生活にかかわる看護記録は、医師や多職種にとって、患者の生活に近い場面での機能、意欲や心理状態を把握するうえで重要な情報となります。●●生活者としての患者とリハビリテーション リハは、能力障害や社会的不利を起こす諸条件の悪影響を減少させ、障害者の社会統合を実現することを目指す、あらゆる手段を含むものです。リハは、障害者を訓練してその環境に適応させるだけでなく、障害者の直接的な環境と社会全体に介入して、社会統合を容易にすることを目的としています。障害者自身、その家族、そして彼らが住む地域社会は、リハに関係する諸種のサービスの計画と実施に関与しなければなりません(WHO、1981)。 つまりリハは、四肢の動きや起居・歩行動作の改善にとどまらず、患者と家族、そして地域への統合を目的としています。とくに、回復期のリハでは、多職種によるリハを提供するはじめに生活者としての患者と目標設定日本看護協会常任理事/日本リハビリテーション看護学会理事長 荒木暁子102018秋季増刊
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