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第章1総論リハビリテーションにおける看護記録の目的と意義1ために、国際生活機能分類(International Classification of Functioning、Disability and Health:ICF)の考え方を基盤とした、リハ総合実施計画書を中心に、生活者である患者の活動や参加を目標として支援を行います。よって、目標設定は、患者自身がなりたい生活者としてのあり方を目指すことになります。●●ICFにより生活者としての患者をとらえる ICFは、「『生きることの全体像』についての『共通言語』」です2)。心身機能・構造、活動と参加をあわせて生活機能とし、これに、健康状態や環境・個人因子が相互作用するという包括的な概念です。ICFは慢性疾患の増加や高齢化などを背景に、疾患や障害、加齢による変化を当たり前のこととしてとらえ、人の生活する力に着目するために用いられることを目的に考案されており、医療だけでなく、福祉、教育や多学問領域が共有できる考え方であり、“共通言語”として、理念としてとらえていくことが肝要です(図1)3)。筆者は、前職場で、ICFによる分類ではなく理念を基盤とし、情報を共有する目的で多職種によるICFカンファレンスを行っていました。「ICFの視点を活かした情報整理シート(図2)」の情報を整理してみることで、あらためて患者の強みや家族の強みに気づき、患者のありたい姿が浮かび上がってくることも多く、支援の目的や方法を再確認、修正していくことができます。 ●●チームのなかで看護師に求められている役割・視点と記録 回復期のリハは機能回復がおもな目的であることに違いはありませんが、やる気や意欲がリハの効果に影響することからも、心・身体と社会・心理的な側面を統合してアセスメント図1ICFの概念健康状態個人因子環境因子活動心身機能・構造参加112018秋季増刊

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