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8Nutrition Care 2018 秋季増刊医師や患者から頼りにされる栄養指導とは 糖尿病、高血圧、脂質異常症など、慢性疾患の薬物療法は日々、劇的な進歩を遂げています。「Exercise is Medicine(運動は薬である)」1)という言葉がありますが、運動療法だけでなく食事療法なくしては、薬物療法が効果を奏しないこともよく経験します。しかし、栄養指導に関するエビデンスが乏しいのも現実です。『ニュートリションケア』で毎月、「ダメダメ指導にさようなら 栄養指導の○と×」のコメントを担当していますが、実際の症例を会話形式で読むなかで、管理栄養士がどのようなことで悩んでいるのかがよくわかります。医師は、薬に比べて栄養に関する知識が乏しく、十分に栄養指導を行う時間もないため、管理栄養士をとても頼りにしています。ところが、栄養指導を受けた患者に「どんな栄養指導の内容が参考になりましたか?」「どんなことをやってみようと思いますか?」などと尋ねると、さまざまな答えが返ってきます。「とても参考になった」とうれしそうに答える患者もいれば、「全然参考にならなかった」と答える患者もいます。また、食事療法が順守できていない患者に「もう一度、管理栄養士から栄養指導を受けてはいかがですか?」と話すと、「もう食事の話は聞いたから、自分でやります。大丈夫です」と答える場合も多くあります。医師だけでなく患者から頼りにされる栄養指導とは、どんなものでしょうか? そこで、「医師が管理栄養士の栄養指導に期待すること」と題して、どのようなアドバイスを望んでいるのか、どのようなフィードバックが治療に役立つか、概説します。若手の管理栄養士とベテランの管理栄養士が陥りやすい罠 若手の管理栄養士は栄養指導の経験が少ないために、「朝食を抜かずに3食きちんと食べて、栄養バランスに気をつけて、腹八分目に、そしてゆっくりよくかんで食べること」「食事の基本は主食、主菜、副菜をそろえること」など、教科書どおりの理想論を展開してしまいがちです(表1)。しかし、ちまたでは健康情報が氾濫しています。「そんな話はもう知っている。具体的なやり方を教えてほしい」と患者は思っているかもしれません。また、ベテランの管理栄養士が陥りやすい罠もあります(図)。表1で自分がいくつあてはまっているのかチェックしてみてください。国立病院機構京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室室長坂根直樹 さかね・なおき医師が管理栄養士の栄養指導に期待すること1
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