“腸が使える場合は腸を使え”という有名な言葉があります。もちろん、最良の栄養投与経路は経口栄養ではありますが、経管栄養も医療の進歩とともに、さまざまな場面で用いられるようになりました。現在は一部の禁忌を除いては、経腸栄養Fファーストirstがあたり前であるとも考えられるようになり、“腸が使えない場合以外は腸を使う”というのが共通認識になっているのではないかと考えられます。 現在の病院管理栄養士の主業務は、クリニカルサービスとフードサービスを駆使した患者栄養管理と考えられます。そのなかで経腸(管)栄養管理は管理栄養士がIイニシアティブnitiativeをもつべき重要な分野です。したがって、多種多様な患者病態を見きわめ、理論と根拠に基づいた、適切な栄養管理計画を立案する必要があります。 病院のなかで、薬のことや服薬方法を知らない薬剤師がいないのと同じように、栄養剤のことや投与方法を知らない管理栄養士はいないと思われなければなりません。 本書が皆様の日常臨床上のお役に立つことと同時に、病院管理栄養士における経腸栄養管理の共通認識につながることを切に願います。 2019年11月独立行政法人労働者健康安全機構大阪労災病院栄養管理部西條 豪編集にあたって
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